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彦十蒔絵 若宮隆志展 あそび心の蒔絵

2021.04.12
彦十蒔絵 若宮隆志展 あそび心の蒔絵

■会期:2021年4月7日(水)→ 4月19日(月)
■会場:新宿髙島屋10階 美術画廊
※最終日は午後4時閉場。
※営業日・営業時間等は変更になる場合がございます。


若宮隆志先生は、1964年石川県輪島市に生まれ、輪島の伝統技術を用い、現代の美を求め伊藤若冲のモチーフやキャラクターのデザインをプロデュースし、自らも制作を行っています。漆の木を育て、漆かきを行い、職人をつないでいくなど輪島の漆文化保存のために積極的に活動され、漆の美しさを現代のスタイルに合わせた作品を制作発表しています。国内外のアートフェアに参加、他の作家とのコラボレーションにも力を注がれています。
また4月18日(日)まで、三井記念美術館にて開催中の「特別展 小村雪岱(こむらせったい)スタイル〜江戸の粋から東京のモダンへ〜」にも出品中です。

「彦十蒔絵(ひこじゅうまきえ)」は、輪島在住20人の漆芸スペシャリストが集う職人集団です。木地の制作などにはさらに多くの職人が従事しています。その作品は、100を超える工程においても圧倒的な技術力を必要とするものであり、若宮先生がアーティストとして創作の道筋を示し、棟梁として職人たちの信頼を勝ち得ることで、創造性と技術力のチームワークが生まれ、作品のコンセプトの自由を獲得しています。
それでは、技術の粋を凝らした蒔絵の華麗な世界をご覧ください。

《見立の世界》
こちらの「禾目天目椀」と「青銅塗天目台」をご覧ください。
見た目は陶器?金属?
実は漆器でございます。
漆器の茶椀を焼き物の名物茶碗に見立てているのです。


「金油滴蒔絵 天目椀」
手に取った瞬間、その軽さに驚きます❗
素材が土ではなく、欅だから。
木地に漆を塗り、蒔絵を施すことで、素材感さえ変えてしまう見立の世界です。

《蒔絵の世界》

「共生蒔絵 若冲 棗」伊藤若冲図案参考
伊藤若冲の描いた「樹花鳥獣図屏風」の白象が正面に蒔絵された棗です。
ここでの共生とは、お釈迦様の使いの白象とたくさんの想像上の動物達が楽園で暮らす世界です。
この白象の白い体は、ウズラの卵の殻を細かくしたものを一つ一つ貼り付けて形作られています。(卵殻技法)
ひとかけらの卵の殻を貼るまでにも、いくつもの工程があるのです。
ウズラの卵の殻の色はまだらなので、殻の表面を少し研いで白くして、酢に漬け、柔らかくし、平たく伸ばし、蒔絵に使えるように細かく切断します。
気の遠くなるような制作過程の一コマでございます。

 
「花尽くし蒔絵 棗」
こちらの可愛らしい棗の明るい色使いには目を引かれます。
全体に金粉を蒔いた上に、花尽くしの蒔絵を描いていきます。
地の金の輝きが色漆の発色を見事に引き立てているのです。
黄金色に輝くお花畑でございます。


「流水文様 片口 本朱」尾形光琳図案参考
左は本朱塗りに銀の平蒔絵、右はプラチナ箔絵というように、
技法を変え、見た目のテイストを変化させます。
どちらも朱に銀色が映えて美しい片口ですが、
平蒔絵は流水文様の線が鮮明で、銀の光沢が強く出ています。
プラチナ箔絵は箔の微妙なシワが光沢を調整し、品のある落ち着いた風合いとなっています。
同じ流水文様でも技法の違いで、随分作品の雰囲気は変わるのです。


「望郷 彫刻漆器 蓋物かぶと虫」
こちらは蒔絵も彫刻も素晴らしい技術が結集した作品です。
今にも動き出しそうな立派なカブトムシですが、角を下げるとロック解除、背中の蓋が外れます。

夜光貝の螺鈿の中に野菊、葛、芒の葉にはキリギリスでしょうか?
ご覧になれますか?


蓋の裏には若宮先生の故郷、輪島の田植え風景が。
苗を植えている9人の人が見つけられましたでしょうか?
これだけ細密に描ける技術を持った職人は今ではほとんどいないそうです。
貴重な人材でございます。

このように若宮隆志さんの彦十蒔絵は、まず繊細な蒔絵に魅了され、
作品に近づいて手に取った時の軽さにさらに驚きます。
棗は天然檜、片口は朴(ほう)、茶椀は欅で制作されますが、軽さを出すには木の材質に拘ります。
作品制作の始まりは若宮先生の認めた良い材木からです。
良い材木が手に入ったから、「じゃあ何を作ろうか?」が始まるのです。
若宮先生は、完成した作品を見た人の驚きや感動を想像して制作されています。
棗の蓋の裏、ぐいのみの側面にも驚きが隠れています。
「漆器は何千年ものあいだ日本人の生活と結びつき、民俗的な道具として使用され生き続けている。そこに先祖の想いや人が生きる知恵が込められていると考えられる。それらを学びさらにや現代の感覚ユーモアを漆芸作品に取り入れ制作することで、先人が残した大切な想いを未来に繋げる事が出来ると信じ制作している。」
と若宮先生は言います。
ぜひこの手のひらに乗るほどの小さな作品をまじかでご覧いただき素晴らしい蒔絵の世界をご堪能くださいませ。
皆様のお越しを心よりお待ち申しあげます。


「鯖 ぐいのみ 高蒔絵」
鯖の足元にご注目!でございます。

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