新宿髙島屋10階/代々木側にあるコンテンポラリーアートを扱う美術画廊です。2007年の開廊以来若手アーティストを中心に最新作発表の場として2週間タームで企画展を開催。出品アーティストにはいま一番創りたいモノを制作いただき魅力ある作品の数々を提案しています。こちらのブログでは当美術画廊が自信をもって開催する展覧会情報を発信させていただきます。皆様のご来廊を心よりお待ち申しあげます。そしてなによりもひとりでも多くのお客様に新宿髙島屋美術画廊のファンになっていただけることを願っております。
Into the Woods
会期:2021年1月13日(水) → 1月25日(月)
会場:10階美術画廊
最終日は午後4時閉場。
Into the Woods展に寄せて
作品に取り上げるモチーフはペットや役者動物、植物採集の道具や童話などその時の興味によって様々ですが、大きな主題は変わらず「自然と人間の関係」をテーマに制作しています。人物そのものを描く代わりにイメージとしての自然を通して自分を含めた「人間」という存在を表現したいのかも知れません。
地球上の一つの種に過ぎなかった私たち人間は、ここ数百年で徐々に暴走を始め、到頭自分たち以外のあらゆる生き物にとって自然な関係を築けない不自然な存在になってしまったのではないかと感じるようになりました。今回の展覧会の主な作品は森の中をテーマに制作しています。「自然がいっぱい」のはずの森の中には町で売られているような置物や、品種改良された植物が混ざっています。生き物たちの大きさが普段見知っているものとちぐはぐなのも人の手が入った所為かも知れませんし、或いは単に遠近法が狂っているだけなのかも知れません。
私にとって制作は、自分の興味や関心を形にしようとする試みです。頭の中でぼんやりイメージしているものが絵の具や布の形を借りてぴたりと重なると(なかなかそうなることはないのですが)なんとも楽しいのです。そして同時に、制作は自分の考えを整理する貴重な時間でもあります。
「不自然な存在としての人間」を見つめ、作品にすることで、私なりに人間の暴走に静かに抗おうと思うのです。
大沼 蘭
「自然と人間の関係」をテーマに描く森の中は、きれいな空気や水をつくりだし、生態系を育み、災害から我々の生活を守る自然本来の役割と人間との関係性が示唆的に描かれています。
今展では、江戸琳派の奇才鈴木其一が描いた「夏秋渓流図屏風」の構図をオマージュした大作から、綿やウレタンフォームを支持体にシーチング生地(布の織り方の一種)で制作した動物の立体作品まで一堂に展観いたします。